教師なし学習(Unsupervised Learning)は、正解ラベルなしのデータから、構造やパターンを自動的に見つける機械学習です。本記事はアルゴリズムの網羅ではなく、試験で問われる教師あり・強化学習との対比・代表タスク・損失の考え方・自己教師ありとの違いに焦点を当てます。
試験で問われる見方
○:教師なし学習はラベルなしでパターンを発見。クラスタリング・次元削減が代表(G-068、G-097)。
○:生成AIパスポートでも「正解データを与えず、データの構造やパターンを見つける手法」が定番(HQ-0106、HQ-0126)。
×:教師なしでもラベルとの誤差を直接最小化するとは限らない(TF-354)。再構成誤差やクラスタ内のまとまりなど別基準。
×:教師なし=教師ありの説明を入れ替えた選択肢(HQ-0126の誤答パターン)。
教師なし学習とは
入力データだけが与えられ、「正解 y」がありません。データの似たもの同士のまとまりや低次元の構造を探すのが典型です。
ラベル付けには人手コストがかかるため、大量の未ラベルデータから顧客セグメントや異常パターンを見つけるなど、実務でも重要な位置づけです。試験では「何が教師(正解)として与えられないか」を明確にすることが鍵です。
代表タスク
| タスク | 目的 | 例 |
|---|---|---|
| クラスタリング | 似たデータをグループ分け | k-means法、階層的クラスタリング |
| 次元削減 | 特徴を圧縮・可視化 | PCA、t-SNE |
| 異常検知 | 通常と異なる点を検出 | — |
| 表現学習 | 有用な特徴量の獲得 | オートエンコーダ |
| トピックモデル | 文書の潜在トピック推定 | LDA |
「分類」は教師あり学習のタスクです。クラスタリングはラベルなしでグループを発見する点が異なります(G-061)。
3つの学習パラダイム
| 区分 | 教師(信号) | 損失のイメージ | 代表例 |
|---|---|---|---|
| 教師あり | 正解ラベル | 予測と正解の差 | 分類・回帰 |
| 教師なし | なし | クラスタ内距離・再構成誤差など | k-means、PCA |
| 強化学習 | 報酬 | 累積報酬の最大化 | Q学習、方策勾配 |
試験では3つを混同する選択肢が頻出です。特に「報酬を手がかりに学習」は強化学習(HQ-0106の誤答D)です。
損失・評価の考え方
教師ありでは「予測 ŷ と正解 y の差」を最小化します。教師なしでは目的関数の形が異なります。
- クラスタリング — クラスタ内の距離を小さく、クラスタ間を離す
- 次元削減 — 情報を保ちながら次元を減らす(分散の最大化など)
- オートエンコーダ — 入力を再構成する誤差(再構成誤差)を最小化
TF-354は「教師なしでもラベル誤差を最小化する」と言い切る誤答に注意してください。
すり替えに注意
| 誤った説明 | 正しい理解 |
|---|---|
| 教師なし=入力と正解のペアで学習 | 教師ありの定義(HQ-0126) |
| 教師なし=報酬で行動を学習 | 強化学習の定義 |
| クラスタリング=分類 | 分類はラベルありの教師あり学習 |
| LLMの事前学習は純粋な教師なし | 次トークン予測は自己教師ありと呼ばれることが多い |
よくある質問
LLMの事前学習は教師なし?
次トークン予測は正解トークンがあるため自己教師ありと呼ばれることが多いです。純粋な教師なしとは区別します。
クラスタ数はどう決める?
k-meansでは k を事前指定(TF-032)。エルボー法やシルエット係数などで探索することもあります。
教師なしの結果はどう使う?
顧客セグメントの発見、異常検知、特徴量の前処理など。発見したクラスタに後からラベルを付ける運用もあります。
半教師あり学習とは?
少量のラベル付きデータと大量の未ラベルデータを併用する手法です。G検定では3パラダイムの区別が中心です。