ゼロショットプロンプト(Zero-shot Prompting)は、入出力の具体例をプロンプトに含めず、自然言語のタスク指示だけでLLMに動かすプロンプトエンジニアリングの技法です。本記事は論文のベンチマーク数値ではなく、試験で整理しやすい「例なし」の意味・Few-shotとの使い分け・限界に焦点を当てます。
試験で問われる見方
G-386:Zero-shotは明示的な例なしでタスクへ対応する考え方。One-shotは1例、Few-shotは少数の例(G-386)。
G-385:Few-shot学習の説明として、少数の例で新タスクへ対応が○。Zero-shotはそのスペクトラムの一端として整理されます。
Zero-shot Promptingとは
「この文章を要約して」「次のJSON形式で出力して」のように、タスク記述と制約だけを渡します。プロンプト内に「入力A→出力B」のデモンストレーションは載せません(shot=例の数がゼロ、という意味です)。
チャットの初回メッセージやシステムプロンプトでの役割指定も、Zero-shotの一形態とみなせます。
なぜ例なしで動くか
大規模な事前学習で、多様なタスクに似たテキストを既に見ています。指示文の語彙(「翻訳」「分類」「要約」)と学習データのパターンが結びつき、追加例なしでも振る舞いを推定できるためです。
画像分野ではCLIPのようなモデルがゼロショット分類に応用されることもあります(TF-168)。文脈は異なりますが「学習時に見ていないクラスへ一般化」という発想は共通です。
Few-shotとの使い分け
| 状況 | 向きやすい手法 |
|---|---|
| 一般的なタスク(要約・翻訳) | Zero-shot |
| 独自ラベル・特殊な出力形式 | Few-shot |
| 複雑な多段推論 | Zero-shot+CoT |
| 社内ドキュメントの正確性 | RAG(例示とは別軸) |
限界と対策
Zero-shotだけでは形式がぶれたり、ハルシネーションが起きやすいタスクがあります。プロンプト4要素(目的・読者・形式・制約)を明確にし、ダメならFew-shotやRAGへ段階的にエスカレーションするのが実務的です。
温度を下げると出力のばらつきを抑えられる場合がありますが、知識不足の補完にはなりません。
よくある質問
Zero-shot=学習データゼロ?
違います。モデルは大量データで事前学習済み。「プロンプト内の例がゼロ」という意味です。
Zero-shot学習と同じ?
別概念です。Zero-shot学習はMLの学習設定、Zero-shot Promptingは推論時のプロンプト技法です。
いつFew-shotに切り替える?
出力形式が2回連続で崩れたとき、独自の分類体系を使うとき、コストに余裕があるときが目安です。