再現率(Recall/感度)は、実際に陽性である対象のうち、モデルが陽性と正しく検出できた割合です。本記事は公式の丸暗記ではなく、試験で問われる見逃し(偽陰性)の業務リスク・適合率との対比・閾値の動かし方に焦点を当てます。適合率記事とあわせて読むと整理しやすいです。
試験で問われる見方
○:再現率は本来陽性をどれだけ拾えたか(TF-046)。偽陰性(FN)を減らしたい場面で重要。
○:病気スクリーニングでは見逃しを避けるため再現率を重視(G-084)。適合率は「陽性と言ったうちの正しさ」で、重視する場面が異なる。
×:再現率=適合率、再現率=正解率などの定義すり替え。
混同行列の読み方
再現率は実際が陽性だった行に注目します。
| 予測:陽性 | 予測:陰性 | |
|---|---|---|
| 実際:陽性 | 真陽性(TP) | 偽陰性(FN)→ 見逃し |
| 実際:陰性 | 偽陽性(FP) | 真陰性(TN) |
再現率の分母は TP+FN(実際の陽性の総数)です。適合率の分母(TP+FP)とは異なる点が試験の核心です。
定義と偽陰性
再現率(Recall)= TP ÷ (TP + FN)
「本当は陽性なのに、モデルが陰性と見逃した」件数が FN です。再現率が低いとは、陽性ケースの拾い漏れが多い状態を意味します。
重視する業務場面
| 場面 | なぜ再現率か |
|---|---|
| 医療スクリーニング | 患者の見逃し(FN)が致命的 |
| 不正・セキュリティ | 攻撃の取りこぼしを減らしたい |
| 欠陥検査 | 不良品の流出を防ぎたい |
| 情報検索 | 関連文書の網羅(リコール) |
誤検知より誤判定の「見逃し」が問題になるときは再現率優先。誤検知の方が困るときは適合率優先です。
適合率とのトレードオフ
閾値を下げて陽性判定を増やすと、拾い漏れは減り再現率は上がりやすい一方、誤検知が増え適合率は下がりやすいです。両方をまとめて見る指標がF1スコアです。
試験では「どちらを重視するかは業務目的で決める」と答えられることが重要です(G-084)。
すり替えに注意
| 誤った説明 | 正しい理解 |
|---|---|
| 再現率100%が常に最良 | すべて陽性予測すれば再現率1だが適合率は崩れる |
| 再現率=適合率 | 分母が異なる(実際の陽性行 vs 予測陽性列) |
| 再現率は回帰の指標 | 主に分類の指標。RMSE等とは別(TF-377の誤答パターンはF値側) |
よくある質問
感度と再現率は同じ?
二値分類では同じ概念として扱われることが多いです。医療検査では「感度」という語がよく使われます。
特異度(Specificity)との関係は?
特異度は実際の陰性をどれだけ正しく陰性と判定したか(TN/(TN+FP))。再現率とセットで試験に出ることもあります。
LLMの評価にも再現率は?
分類タスク(有害判定など)では使えます。自由生成の品質評価では別指標(BLEUスコア、人間評価)が中心です。