F1スコア(F1 Score/F値)は、適合率と再現率の調和平均で、二値分類のバランス指標です。本記事は計算練習ではなく、試験で問われるなぜ調和平均か・正解率との違い・RMSEなどとのすり替えに焦点を当てます。
試験で問われる見方
定義と数値例
F1 = 2 × 適合率 × 再現率 ÷ (適合率 + 再現率)
適合率0.9・再現率0.1のとき、算術平均は0.5ですが、F1は約0.18と低い方に強く引きずられます。どちらか一方だけ優秀でもF1は高くなりません。
| 適合率 | 再現率 | 算術平均 | F1(概算) |
|---|---|---|---|
| 0.9 | 0.9 | 0.9 | 0.9 |
| 0.9 | 0.1 | 0.5 | ≈0.18 |
| 0.5 | 0.5 | 0.5 | 0.5 |
調和平均である理由
分類では適合率と再現率の両方が実用上有意味なことが多いです。調和平均は小さい値の影響を大きく反映するため、「片方だけ高い」モデルを過大評価しにくいです。
試験では「なぜ平均二乗誤差ではないのか」ではなく、「F値は分類の適合率・再現率のバランス」と答えられることが重要です。
不均衡データと正解率
正例が全体の1%しかないデータで、すべて「陰性」と予測すると正解率は99%に見えます。しかし再現率は0%で、F1も0に近くなります(G-064)。
だから不均衡問題では、正解率だけでなくF1やAUC(ROC曲線下面積)を確認する、というのが試験の定番説明です。
他指標との区別
| 指標 | タスク | 要点 |
|---|---|---|
| F1 / F値 | 分類 | 適合率×再現率の調和平均 |
| 正解率 | 分類 | 全体の正解割合。不均衡で誤解しやすい |
| RMSE | 回帰 | 予測と正解の二乗誤差の平方根(TF-377の誤答) |
| AUC | 分類 | 閾値に依存しない性能の目安 |
すり替えに注意
| 誤った説明 | 正しい理解 |
|---|---|
| F値は回帰専用 | 分類の指標(TF-377は×) |
| F値は適合率と再現率の算術平均 | 調和平均(TF-376は○) |
| F1が高ければ正解率も必ず高い | 不均衡では両者が乖離しうる |
よくある質問
F0.5やF2とは?
適合率と再現率の重みを変えた一般化(Fβ)。F1は等重み。F2は再現率をより重視します。
多クラス分類のF1は?
マクロ平均(クラスごとにF1を出して平均)やマイクロ平均などがあります。G検定では二値が中心です。
F1とAUCはどちらを見る?
F1は特定の閾値でのバランス、AUCは閾値全体の分離能力。目的に応じて選びます。