Make · 旧Integromat · 業務自動化

Make(旧Integromat)とは?業務自動化の機能・料金・使い方を解説

ビジュアルシナリオで3,000+アプリを連携——Credits課金のiPaaS、AI Agents・MCP Server対応

Credits課金 シナリオ設計 Make AI · MCP
対応環境
  • Web(make.com)
  • Make API
  • On-prem agent(Enterprise)
Make公式イメージ
出典:Make公式(make.com)
更新日: 読了目安:約9分

Make(メイク、旧Integromat)は、ドラッグ&ドロップのビジュアルシナリオでSaaSアプリを連携するiPaaSです。課金の核はCredits——モジュール1実行=通常1 Credit——であり、ZapierのTask課金とは数え方が異なります。本記事ではCreditsモデルシナリオキャンバスMake AI・MCP ServerZapierとのコスト比較を整理します。料金と機能は2026年6月時点の情報です。

試験で問われる見方

生成AIパスポートでは、業務自動化(iPaaS)とAIエージェント、外部ツールへの権限・承認の論点が問われます。MakeはZapierと並ぶ「ノーコード自動化の具体例」として、RPAやChatGPTそのものではない点を押さえると整理しやすいです。

「Make=画面操作ロボット」「Credits=ZapierのTaskと同じ数え方」という誤解に注意してください。MakeはAPI連携型で、課金はモジュール実行単位です。

Makeとは

Make(make.com)は、2022年にIntegromatからリブランドしたチェコ発のiPaaSです。「Scenario(シナリオ)」と呼ぶワークフローをキャンバス上に配置し、3,000以上のアプリをAPI経由で連携します。

Zapierが「Zap」という線形フロー中心なのに対し、Makeはルーター(分岐)・フィルター・イテレーター(繰り返し)を最初から可視化できるのが特徴です。複数条件・大量レコード処理を1シナリオにまとめやすく、Credits単価で見ると多段フローが相対的に安くなるケースがあります。

2026年時点、MakeはMake AI Agents(beta)Make MCP Server、350+ AIアプリ連携など、AI機能をシナリオ内に統合する方向へ拡張しています(公式Pricing)。

Credits課金モデル

Makeの課金の核はCreditsです。公式FAQの整理では、Google Sheets行追加やGmail取得など、シナリオ内の各モジュール実行が通常1 Creditです(2026年6月時点)。

実行内容Credits目安試験・実務の注意
標準モジュール(トリガー・アクション・フィルター・ルーター)1 Credit / 実行10モジュール=1回で約10 Credits
Watch(ポーリング)モジュール1 Credit / チェックデータなしでも消費——放置コストに注意
Make組み込みAIトークン量に応じ動的見積もりが読みにくい
HTTPで外部AI APIMake側1 Credit+API料金OpenAI等は別途従量
Make Code(JS/Python)2 Credits / 1秒長時間実行は高コスト

Creditsが75%・90%で通知され、枯渇するとシナリオは停止します。Webhookはキューに蓄積され、Credits追加後に処理されます(公式Pricing)。追加購入(1,000 / 10,000単位)や自動購入(Core以上)も用意されています。

Zapier Taskとの決定的差

Zapierは成功したアクションをTaskとしてカウントする一方、Makeは通過したモジュールをCreditsとしてカウントします。フィルターで弾かれる前のモジュールも消費するため、「設計次第でMakeの方が安い/高い」が逆転します——トリガー直後にフィルターを置くのがMake設計の基本です。

シナリオキャンバス設計

MakeのUIは「Scenario builder」と呼ばれるノーコードのフローチャートです。Zapierの線形Zapより、次のパターンを明示的に描けるのが強みです。

Router(分岐)

条件ごとに別ルートへ。例:リードスコアが高い→Slack、低い→メールのみ。

Filter(フィルター)

不要データを早期除外。Credits節約の要——トリガー直後に配置。

Iterator(繰り返し)

配列の各要素を順処理。100件なら下流モジュール×100回分のCredits。

Subscenario

シナリオを別シナリオから呼び出し。共通処理の再利用。

試験では「複雑な分岐はMake、連携数・テンプレ厚みはZapier」という定番比較を、そのまま実務の選定軸に使えます。

Make AI・MCP Server

2026年時点、MakeはAIを別プロダクト課金(Zapier AgentsのActivities)ではなく、シナリオ内モジュール+Creditsとして統合しつつあります(公式Pricing)。

機能概要試験での整理
Make AI Agents(beta)Make AI Providerまたは自前LLMキーでエージェント構築判断を含むステップをシナリオ内に配置
Make MCP Server外部AI(ChatGPT等)からMakeシナリオを呼び出しZapier MCPと同系統の「AIに手を渡す」
AI Content Extractorファイルから構造化テキスト抽出ドキュメント→後続API連携
AI Web Search(beta)シナリオ内でWeb検索結果を取得最新情報が必要な自動化
350+ AI appsOpenAI・Anthropic等をモジュール連携HTTP自作より運用が楽

組み込みAIは動的Credits消費のため、定型的なAPI連携だけならHTTPモジュール+外部APIの方が予測しやすい場合があります。

できること(主な機能)

3,000+ アプリ連携

Google Workspace、Slack、Notion、HubSpot、Shopify等。Custom appsで社内APIも接続。

Make API

Core以上で300+ APIエンドポイント。外部からシナリオ実行・管理(公式)。

Make Code

JavaScript/Pythonをシナリオ内実行。高度なデータ変換・AI前処理。

Data Store

シナリオ間でデータを保持。APIレスポンスのキャッシュでCredits節約。

On-prem agent

Enterprise向け。SAP等ローカルネットワーク内アプリに接続。

Teams・テンプレート

Teamsプランでロール管理・シナリオテンプレート共有。

よくある誤解

Make=Zapierより常に安い」は半分正しく半分誤りです。多モジュール・高頻度実行ではMakeの方が有利になりやすい一方、Watchポーリングイテレーター大量処理でCreditsが急増します。

AIを入れれば確認不要」もTF-0493で×です。CRM更新・請求・個人情報送信は人間承認またはポリシー必須——Make AI Agentsも例外ではありません。

Integromatは別サービス」——2022年以降はMakeに統一。古い教材ではIntegromat表記が残るため、試験では同一とみなしてください。

料金プラン(2026年6月時点)

以下は公式Pricing(make.com/en/pricing)に基づく年払い・10,000 Credits/月基準の整理です。Credits量は10k〜8Mまでスライダーで増やせます。

Free

$0

1,000 Credits/月

Core

$9/月

10k Credits・API

Pro

$16/月

優先実行・変数

プラン 月額(2026年6月時点) Credits/月 主な特徴
Free$01,00015分間隔・同時アクティブシナリオ上限・512MB転送
Core$9/月(年払い)10,000無制限アクティブシナリオ・1分間隔スケジュール・Make API
Pro$16/月(年払い)10,000優先実行・カスタム変数・全文ログ検索
Teams$29/月(年払い)10,000チームロール・テンプレート共有
EnterpriseカスタムスケーラブルSSO・Overage protection・24/7サポート

データ転送は10,000 Creditsあたり5GB(Freeは512MB)。追加Creditsは25%上乗せ、月次契約では1ヶ月で失効(公式)。年払いPro/Teamsは年間枠として扱われます。

はじめ方・基本的な使い方

  1. 無料登録make.comでアカウント作成。Freeの1,000 Credits/月を確認。
  2. シナリオ新規作成テンプレートまたは空キャンバスから開始。
  3. トリガー設定Webhook・スケジュール・Watch等。ポーリングはCreditsコストに注意。
  4. フィルター→処理→分岐早期フィルター、Router/Iteratorで分岐・繰り返しを設計。
  5. テスト実行・有効化実行ログでモジュール別Credits消費を確認してから本番化。
Make公式イメージ
出典:Make公式(make.com)

ビジネスでの活用例

リード連携パイプライン

フォーム→スコアリング→CRM分岐→Slack通知。Routerで1シナリオ完結。

EC在庫・受注同期

Shopify・在庫DB・メールをIteratorで一括更新。

AI要約→Slack投稿

AI Content Extractor+OpenAIモジュール→要約をチャンネルへ。

社内SAP連携

Enterprise+On-prem agentでクラウドと基幹系を接続。

メリット・デメリット

メリットデメリット
ルーター・イテレーターの可視設計Credits見積もりが複雑(Watch・Iterator)
多段フローのコスト効率(Zapier比)連携アプリ数はZapier(9,000+)より少ない
Core $9/月から本番運用可能組み込みAIは動的Creditsで予測困難
Make AI Agents・MCP Server統合APIのないレガシーUIは非対応
実行ログでモジュール別消費を可視化Credits枯渇で全シナリオ停止

主要ツールとの比較

項目MakeZapiern8nPower Automate
課金単位Credits(モジュール実行)Tasks+Activities実行回数・セルフホストフロー実行・Premium
設計UIシナリオキャンバス線形Zap+Pathsノードワークフローフローデザイナー
連携数3,000+9,000+400+(拡張可)Microsoft中心+コネクタ
AI統合AI Agents・MCP ServerZapier Agents・MCPLangChain等と組合Copilot・AI Builder
向くケース複雑分岐・コスト重視連携厚み・MCP・Agentsセルフホスト・技術者M365・Teams中心

複雑シナリオ・Credits効率ならMake、エコシステムとAI Agents二層ならZapier、インフラ内完結ならn8n、Microsoft 365中心ならPower Automate——という棲み分けが試験・実務で使いやすいです。

こんな人におすすめ

  • 分岐・繰り返しの多い業務フローを1本のシナリオにまとめたい担当者
  • ZapierよりCredits単価を抑えたい中小チーム
  • ノーコードでAPI連携を視覚的に設計・デバッグしたい人
  • 試験対策でIntegromat/MakeとZapierの違いを押さえたい受験生

あえて向いていないのは、9,000+アプリのテンプレ厚みだけが欲しいケース(Zapier向け)、完全オンプレ必須(n8n向け)、ブラウザGUI操作の自動化Manus・RPA向け)です。

よくある質問

Zapierとの違いは?

どちらもiPaaSですが、Zapierは9,000+アプリ連携とZap/Agentsの二層課金が強み、Makeはビジュアルなシナリオ設計(ルーター・フィルター・イテレーター)とCredits単価で複雑フローに向きます。Makeは1モジュール=1 Credit、Zapierは成功Task単位——課金の数え方が異なります。

Credit(クレジット)とは?

シナリオ内の各モジュール実行(トリガー、アクション、フィルター、ルーター等)が通常1 Creditを消費します。10モジュールのシナリオを1回実行すると約10 Creditsです。Make組み込みAIはトークン量に応じた動的消費、Watchモジュールはデータがなくても1 Credit消費する点に注意(2026年6月時点)。

無料で使えますか?

Freeプラン($0)で月1,000 Credits、ビジュアルビルダー、3,000+アプリ、ルーター・フィルターが利用できます。実行間隔は最低15分、同時アクティブシナリオ数に上限があります。本番の頻繁実行はCore($9/月〜)以上が現実的です(2026年6月時点)。

Integromatとの関係は?

Makeは2022年にIntegromatからリブランドした同一サービスです。試験では「旧Integromat=Make」と覚えると、Zapierとの比較問題で混乱しにくくなります。

n8nとの違いは?

MakeはクラウドSaaSでCredits課金、ビジュアル重視のノーコード設計が中心です。n8nはセルフホスト可能でワークフローをJSONで管理し、技術者向けの自由度が高いことが多いです。完全クラウドで手早く始めるならMake、インフラ内完結ならn8n——という棲み分けです。