Make(メイク、旧Integromat)は、ドラッグ&ドロップのビジュアルシナリオでSaaSアプリを連携するiPaaSです。課金の核はCredits——モジュール1実行=通常1 Credit——であり、ZapierのTask課金とは数え方が異なります。本記事ではCreditsモデル、シナリオキャンバス、Make AI・MCP Server、Zapierとのコスト比較を整理します。料金と機能は2026年6月時点の情報です。
試験で問われる見方
生成AIパスポートでは、業務自動化(iPaaS)とAIエージェント、外部ツールへの権限・承認の論点が問われます。MakeはZapierと並ぶ「ノーコード自動化の具体例」として、RPAやChatGPTそのものではない点を押さえると整理しやすいです。
「Make=画面操作ロボット」「Credits=ZapierのTaskと同じ数え方」という誤解に注意してください。MakeはAPI連携型で、課金はモジュール実行単位です。
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生成AIパスポート:一問一答 TF-0493(自動化と確認作業)、TF-0240(外部ツールと権限)、TF-0271(承認ステップ)、TF-0321(許可されていないサービスへの入力)
G検定:一問一答 TF-170(生成AI) · 用語:AIエージェント
Makeとは
Make(make.com)は、2022年にIntegromatからリブランドしたチェコ発のiPaaSです。「Scenario(シナリオ)」と呼ぶワークフローをキャンバス上に配置し、3,000以上のアプリをAPI経由で連携します。
Zapierが「Zap」という線形フロー中心なのに対し、Makeはルーター(分岐)・フィルター・イテレーター(繰り返し)を最初から可視化できるのが特徴です。複数条件・大量レコード処理を1シナリオにまとめやすく、Credits単価で見ると多段フローが相対的に安くなるケースがあります。
2026年時点、MakeはMake AI Agents(beta)、Make MCP Server、350+ AIアプリ連携など、AI機能をシナリオ内に統合する方向へ拡張しています(公式Pricing)。
Credits課金モデル
Makeの課金の核はCreditsです。公式FAQの整理では、Google Sheets行追加やGmail取得など、シナリオ内の各モジュール実行が通常1 Creditです(2026年6月時点)。
| 実行内容 | Credits目安 | 試験・実務の注意 |
|---|---|---|
| 標準モジュール(トリガー・アクション・フィルター・ルーター) | 1 Credit / 実行 | 10モジュール=1回で約10 Credits |
| Watch(ポーリング)モジュール | 1 Credit / チェック | データなしでも消費——放置コストに注意 |
| Make組み込みAI | トークン量に応じ動的 | 見積もりが読みにくい |
| HTTPで外部AI API | Make側1 Credit+API料金 | OpenAI等は別途従量 |
| Make Code(JS/Python) | 2 Credits / 1秒 | 長時間実行は高コスト |
Creditsが75%・90%で通知され、枯渇するとシナリオは停止します。Webhookはキューに蓄積され、Credits追加後に処理されます(公式Pricing)。追加購入(1,000 / 10,000単位)や自動購入(Core以上)も用意されています。
Zapier Taskとの決定的差
Zapierは成功したアクションをTaskとしてカウントする一方、Makeは通過したモジュールをCreditsとしてカウントします。フィルターで弾かれる前のモジュールも消費するため、「設計次第でMakeの方が安い/高い」が逆転します——トリガー直後にフィルターを置くのがMake設計の基本です。
シナリオキャンバス設計
MakeのUIは「Scenario builder」と呼ばれるノーコードのフローチャートです。Zapierの線形Zapより、次のパターンを明示的に描けるのが強みです。
Router(分岐)
条件ごとに別ルートへ。例:リードスコアが高い→Slack、低い→メールのみ。
Filter(フィルター)
不要データを早期除外。Credits節約の要——トリガー直後に配置。
Iterator(繰り返し)
配列の各要素を順処理。100件なら下流モジュール×100回分のCredits。
Subscenario
シナリオを別シナリオから呼び出し。共通処理の再利用。
試験では「複雑な分岐はMake、連携数・テンプレ厚みはZapier」という定番比較を、そのまま実務の選定軸に使えます。
Make AI・MCP Server
2026年時点、MakeはAIを別プロダクト課金(Zapier AgentsのActivities)ではなく、シナリオ内モジュール+Creditsとして統合しつつあります(公式Pricing)。
| 機能 | 概要 | 試験での整理 |
|---|---|---|
| Make AI Agents(beta) | Make AI Providerまたは自前LLMキーでエージェント構築 | 判断を含むステップをシナリオ内に配置 |
| Make MCP Server | 外部AI(ChatGPT等)からMakeシナリオを呼び出し | Zapier MCPと同系統の「AIに手を渡す」 |
| AI Content Extractor | ファイルから構造化テキスト抽出 | ドキュメント→後続API連携 |
| AI Web Search(beta) | シナリオ内でWeb検索結果を取得 | 最新情報が必要な自動化 |
| 350+ AI apps | OpenAI・Anthropic等をモジュール連携 | HTTP自作より運用が楽 |
組み込みAIは動的Credits消費のため、定型的なAPI連携だけならHTTPモジュール+外部APIの方が予測しやすい場合があります。
できること(主な機能)
3,000+ アプリ連携
Google Workspace、Slack、Notion、HubSpot、Shopify等。Custom appsで社内APIも接続。
Make API
Core以上で300+ APIエンドポイント。外部からシナリオ実行・管理(公式)。
Make Code
JavaScript/Pythonをシナリオ内実行。高度なデータ変換・AI前処理。
Data Store
シナリオ間でデータを保持。APIレスポンスのキャッシュでCredits節約。
On-prem agent
Enterprise向け。SAP等ローカルネットワーク内アプリに接続。
Teams・テンプレート
Teamsプランでロール管理・シナリオテンプレート共有。
よくある誤解
「Make=Zapierより常に安い」は半分正しく半分誤りです。多モジュール・高頻度実行ではMakeの方が有利になりやすい一方、Watchポーリングやイテレーター大量処理でCreditsが急増します。
「AIを入れれば確認不要」もTF-0493で×です。CRM更新・請求・個人情報送信は人間承認またはポリシー必須——Make AI Agentsも例外ではありません。
「Integromatは別サービス」——2022年以降はMakeに統一。古い教材ではIntegromat表記が残るため、試験では同一とみなしてください。
料金プラン(2026年6月時点)
以下は公式Pricing(make.com/en/pricing)に基づく年払い・10,000 Credits/月基準の整理です。Credits量は10k〜8Mまでスライダーで増やせます。
Free
$0
1,000 Credits/月
Core
$9/月
10k Credits・API
Pro
$16/月
優先実行・変数
| プラン | 月額(2026年6月時点) | Credits/月 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| Free | $0 | 1,000 | 15分間隔・同時アクティブシナリオ上限・512MB転送 |
| Core | $9/月(年払い) | 10,000〜 | 無制限アクティブシナリオ・1分間隔スケジュール・Make API |
| Pro | $16/月(年払い) | 10,000〜 | 優先実行・カスタム変数・全文ログ検索 |
| Teams | $29/月(年払い) | 10,000〜 | チームロール・テンプレート共有 |
| Enterprise | カスタム | スケーラブル | SSO・Overage protection・24/7サポート |
データ転送は10,000 Creditsあたり5GB(Freeは512MB)。追加Creditsは25%上乗せ、月次契約では1ヶ月で失効(公式)。年払いPro/Teamsは年間枠として扱われます。
はじめ方・基本的な使い方
- 無料登録make.comでアカウント作成。Freeの1,000 Credits/月を確認。
- シナリオ新規作成テンプレートまたは空キャンバスから開始。
- トリガー設定Webhook・スケジュール・Watch等。ポーリングはCreditsコストに注意。
- フィルター→処理→分岐早期フィルター、Router/Iteratorで分岐・繰り返しを設計。
- テスト実行・有効化実行ログでモジュール別Credits消費を確認してから本番化。
ビジネスでの活用例
リード連携パイプライン
フォーム→スコアリング→CRM分岐→Slack通知。Routerで1シナリオ完結。
EC在庫・受注同期
Shopify・在庫DB・メールをIteratorで一括更新。
AI要約→Slack投稿
AI Content Extractor+OpenAIモジュール→要約をチャンネルへ。
社内SAP連携
Enterprise+On-prem agentでクラウドと基幹系を接続。
メリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ルーター・イテレーターの可視設計 | Credits見積もりが複雑(Watch・Iterator) |
| 多段フローのコスト効率(Zapier比) | 連携アプリ数はZapier(9,000+)より少ない |
| Core $9/月から本番運用可能 | 組み込みAIは動的Creditsで予測困難 |
| Make AI Agents・MCP Server統合 | APIのないレガシーUIは非対応 |
| 実行ログでモジュール別消費を可視化 | Credits枯渇で全シナリオ停止 |
主要ツールとの比較
| 項目 | Make | Zapier | n8n | Power Automate |
|---|---|---|---|---|
| 課金単位 | Credits(モジュール実行) | Tasks+Activities | 実行回数・セルフホスト | フロー実行・Premium |
| 設計UI | シナリオキャンバス | 線形Zap+Paths | ノードワークフロー | フローデザイナー |
| 連携数 | 3,000+ | 9,000+ | 400+(拡張可) | Microsoft中心+コネクタ |
| AI統合 | AI Agents・MCP Server | Zapier Agents・MCP | LangChain等と組合 | Copilot・AI Builder |
| 向くケース | 複雑分岐・コスト重視 | 連携厚み・MCP・Agents | セルフホスト・技術者 | M365・Teams中心 |
複雑シナリオ・Credits効率ならMake、エコシステムとAI Agents二層ならZapier、インフラ内完結ならn8n、Microsoft 365中心ならPower Automate——という棲み分けが試験・実務で使いやすいです。
こんな人におすすめ
- 分岐・繰り返しの多い業務フローを1本のシナリオにまとめたい担当者
- ZapierよりCredits単価を抑えたい中小チーム
- ノーコードでAPI連携を視覚的に設計・デバッグしたい人
- 試験対策でIntegromat/MakeとZapierの違いを押さえたい受験生
あえて向いていないのは、9,000+アプリのテンプレ厚みだけが欲しいケース(Zapier向け)、完全オンプレ必須(n8n向け)、ブラウザGUI操作の自動化(Manus・RPA向け)です。
よくある質問
Zapierとの違いは?
どちらもiPaaSですが、Zapierは9,000+アプリ連携とZap/Agentsの二層課金が強み、Makeはビジュアルなシナリオ設計(ルーター・フィルター・イテレーター)とCredits単価で複雑フローに向きます。Makeは1モジュール=1 Credit、Zapierは成功Task単位——課金の数え方が異なります。
Credit(クレジット)とは?
シナリオ内の各モジュール実行(トリガー、アクション、フィルター、ルーター等)が通常1 Creditを消費します。10モジュールのシナリオを1回実行すると約10 Creditsです。Make組み込みAIはトークン量に応じた動的消費、Watchモジュールはデータがなくても1 Credit消費する点に注意(2026年6月時点)。
無料で使えますか?
Freeプラン($0)で月1,000 Credits、ビジュアルビルダー、3,000+アプリ、ルーター・フィルターが利用できます。実行間隔は最低15分、同時アクティブシナリオ数に上限があります。本番の頻繁実行はCore($9/月〜)以上が現実的です(2026年6月時点)。
Integromatとの関係は?
Makeは2022年にIntegromatからリブランドした同一サービスです。試験では「旧Integromat=Make」と覚えると、Zapierとの比較問題で混乱しにくくなります。
n8nとの違いは?
MakeはクラウドSaaSでCredits課金、ビジュアル重視のノーコード設計が中心です。n8nはセルフホスト可能でワークフローをJSONで管理し、技術者向けの自由度が高いことが多いです。完全クラウドで手早く始めるならMake、インフラ内完結ならn8n——という棲み分けです。