モデル・技術

ONNXとは?学習の骨格を共通語で書き出す——フレームワークをまたいでモデルを運ぶ交換フォーマット

読み:オーエヌエヌエックス / 英:ONNX(Open Neural Network Exchange)

更新日: 読了目安:約7分

ONNXは、学習済みニューラルネット計算グラフと重みを共通フォーマットで書き出す交換規格です。研究室ではPyTorch、本番では別ランタイム——Keras/JAXなど学習の道具運用の道具が分かれるとき、ONNXはモデルそのものの共通語——本記事はランタイムの性能比較より、「何を運び、何ではないか」に焦点を当てます。

なぜ交換フォーマットが要るか

深層学習の現場では、学習推論で環境がずれることがよくあります(推論記事)。GPUサーバーで学習し、エッジ端末やクラウドの別サービスで実行——フレームワークが違えば、そのままではモデルファイルを共有できません。

G-458が示すMLOps——開発・デプロイ・監視——の文脈で、ONNXはデプロイの橋渡しに使われます。モデル名(BERTAlexNet)ではなく、ファイル形式の規格です。

ONNXファイルに入っているもの

ONNXは「AIモデルそのもの」ではなく、モデルの設計図と重みの書き方を標準化したものです。

内容役割例え
計算グラフ層の種類・接続・演算の順序回路図
重み(パラメータ)学習で得た数値部品の設定値
入出力の型・形状推論時のテンソル仕様コネクタの規格

PyTorchで学習→ONNXへエクスポート→別環境で読み込み——フレームワークをまたぐのが目的です。試験では演算の細部より、モデル交換の共通フォーマットと覚えれば十分です。

学習から本番への流れ

  • 1. 学習PyTorch、TensorFlow/Kerasなどでモデルを訓練
  • 2. エクスポート — 学習済みモデルをONNX形式(.onnx)へ変換
  • 3. 最適化 — 量子化・プルーニングなどで軽量化(G-406G-025
  • 4. 推論 — ONNX Runtimeなどのランタイムやエッジ環境で推論G-408

ONNXは2の箱——軽量化や高速化は別の工程です。箱を速く運ぶ車はONNX Runtime(別記事)であり、ONNXそのものではありません。

ONNX Runtimeとの違い

名称性質役割
ONNX交換フォーマット(規格・ファイル)モデルを共通語で記述
ONNX Runtime推論ランタイム(ソフトウェア)ONNXモデルを高速実行
PyTorch学習フレームワーク定義・学習・実験
CUDAGPU実行基盤ハードウェア上の演算加速

フォーマット・ランタイム・フレームワーク・GPU基盤——四つはよくセットで出ますが、層が違うと切り分けて答えるのが試験の要点です。

試験で押さえるポイント

  • 定義 — Open Neural Network Exchange=モデル交換の共通フォーマット
  • 目的 — フレームワークや環境の違いを越えてモデルを運ぶ
  • 対比 — ONNX Runtime(実行)、PyTorch/Keras(学習)、MLOps(運用全体)
  • 位置づけ — 学習後のデプロイ・推論パイプラインの一部

演習で確認する

G検定:G-458G-406G-408TF-309

すり替えに注意

誤った説明正しい理解
ONNX=ONNX Runtimeファイル規格 vs 推論ランタイム
ONNX=PyTorch交換フォーマット vs 学習フレームワーク
ONNX=モデル記述形式 vs BERT等の具体モデル
ONNX=MLOpsフォーマットの一部 vs 運用全体(G-458)
ONNX=量子化交換規格 vs 軽量化手法(G-406)

よくある質問

ONNXは何をするフォーマットですか?

学習済みニューラルネットワークの構造(計算グラフ)と重みを共通のファイル形式で保存し、異なるフレームワークや推論環境へ持ち運ぶための交換規格です。開発チームやクラウド・エッジで学習環境と本番環境が異なるときに使われます。

ONNXとONNX Runtimeは同じですか?

同じではありません。ONNXはモデルを記述する交換フォーマット(ファイル規格)です。ONNX RuntimeはONNX形式のモデルを高速に推論実行するランタイムソフトウェアです。荷物の箱と、箱を運ぶ配送車の関係に近いです。

ONNXとPyTorchは同じですか?

同じではありません。PyTorchはモデルを定義し学習するための深層学習フレームワークです。ONNXは学習後のモデルをエクスポートして他環境へ渡すための共通フォーマットです。PyTorchからONNXへ変換して運ぶ、という関係が典型です。