Elicit(エリシット)は、学術論文・臨床試験に特化したAIリサーチツールです。Perplexityのような一般Web検索とは異なり、1億3800万本以上の論文を意味検索し、要約・表形式抽出・システマティックレビューを支援します。開発はOught社(現Elicit社)。本記事では、Basic/Pro/Scaleプラン、Perplexityとの違い、試験での誤解を整理します。料金と機能は2026年6月時点の情報です。
試験で問われる見方
生成AIパスポートでは、RAG、一次情報の確認、AI生成物の検証、偽情報が問われます。Elicitは「論文データベースを参照して回答する」RAGの学術版として理解すると、情報リテラシーの具体例になります。
「論文AI=査読済みだから必ず正しい」「Elicit=Google Scholar」と混同しないことが重要です。引用は確認の起点であり、研究の最終判断は研究者が行います。
このサイトの演習で確認する
生成AIパスポート:一問一答 TF-0282(RAG)、TF-0294(一次情報)、TF-0388(AI生成物の確認)、TF-0255(偽情報)
Elicitとは
Elicitは、AI for Scientific Researchを標榜するWebサービスです。研究質問を自然文で入力すると、セマンティック検索で関連論文を見つけ、要約・比較表・レポートを生成します(公式サイト)。
データソースは1億3800万本以上の学術論文と54万5千件以上の臨床試験(clinicaltrials.gov)など(公式サイト・2026年6月時点)。キーワードが完全一致しなくても意味的に近い文献を引ける点が、従来の文献検索との違いです。
近年はResearch Agent、PRISMA 2020対応のシステマティックレビュー、APIなど、研究機関・製薬向け機能が拡充されています。試験では、Elicitを「汎用チャットAI」ではなく学術文献向けRAGツールとして区別して覚えるとよいです。
できること(主な機能)
論文セマンティック検索
研究質問から関連論文を探索。キーワード完全一致に依存しない(公式サイト)。
Research Reports
システマティックレビューに着想した研究ブリーフを自動生成。論文・項目をカスタマイズ可能。
システマティックレビュー
スクリーニング・データ抽出を自動化。Proで最大5,000本スクリーニング(公式Pricing)。
論文チャット・要約
全文アクセス可能な論文とチャット。Basicでも要約は無制限(公式Pricing)。
Library・Alerts
文献の整理保管と、新着論文のアラート通知。
文レベル引用
AI回答を原論文の該当文で裏付け。透明性を重視した設計(公式サイト)。
よくある誤解
代表的な誤解は「Elicit=Perplexity」です。どちらも出典付きですが、Elicitは学術論文・臨床試験、Perplexityは一般Webが主な対象です。ビジネスニュース調査にElicitを使っても、対象外の情報は拾えません。
もう1つは「論文が見つかればエビデンスは確定」という思い込みです。論文の質・バイアス・再現性は別問題です。TF-0294が示すように、一次情報の評価は人間の仕事です。
「Elicit=ChatGPT」とも限りません。Elicitは文献ワークフローに最適化されており、汎用対話・コード生成はChatGPTの領域です。
料金プラン(2026年6月時点)
以下は公式Pricingページに基づく2026年6月時点の整理です。
Basic
$0
カジュアル利用
Pro
$49/席/月
年払い(35%割引)
Scale
$169/席/月
年払い・チーム向け
| プラン | 料金(2026年6月時点) | 主な内容 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| Basic | $0 | 論文検索・要約無制限・自動レポート月2本・Research Agentは限定 | 学生・お試し |
| Pro | $49/席/月(年払い$588/年) | システマティックレビュー(5,000本スクリーニング)・レポート144本/年・API | 研究者・製薬 |
| Scale | $169/席/月(年払い$2,028/年) | Proの上位・共同編集・レポート240本/年・管理パネル | 研究チーム |
| Enterprise | 要問合せ | SSO・大規模スクリーニング・カスタムデータソース | 企業・大学 |
月払い価格や機能上限は変更されやすいため、契約前に公式Pricingで最新情報を確認してください。
はじめ方・基本的な使い方
- アカウント作成elicit.comで無料登録(Basic)します。
- 研究質問を入力自然文で調べたいテーマを記述します。
- 論文を確認検索結果から関連論文を選び、要約・表を生成します。
- 引用をたどるAI回答の文レベル引用から原文を開き、重要箇所を確認します。
- レポート化(Pro)システマティックレビューやResearch Reportで本格整理します。
ビジネスでの活用例
製薬・メドテック
- 臨床試験・作用機序の調査
- 競合薬のエビデンス整理
- 規制提出のたたき台(最終は専門家確認)
学術・政策
- 文献レビューの効率化
- エビデンスに基づく政策調査
- Zotero連携で文献管理
試験対策
- 学術向けRAGの具体例
- 一次情報確認の重要性
- 汎用AI検索との区別
メリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 論文・臨床試験に特化した高精度検索 | 一般Web・ニュース調査には不向き |
| 文レベル引用で透明性が高い | 論文の質評価は人間が必要 |
| Basicで検索・要約を試せる | 本格レビューはPro以上で高額 |
| システマティックレビュー自動化 | 英語論文中心のワークフロー |
主要ツールとの比較
| 項目 | Elicit | Perplexity | Consensus |
|---|---|---|---|
| 主な対象 | 学術論文・臨床試験 | 一般Web | 論文エビデンス要約 |
| 主な強み | システマティックレビュー | 出典付きWeb調査 | Yes/No形式のエビデンス |
| 無料枠 | Basic $0 | 日次上限あり | 制限あり(未記事) |
| 試験での位置づけ | 学術RAGの例 | 一般リサーチAIの例 | 論文エビデンスAIの例 |
論文の体系レビューならElicit、ビジネス調査ならPerplexity、論文の賛否エビデンスを素早く見るならConsensusという使い分けが一般的です。
こんな人におすすめ
- 論文ベースの調査・レビューを効率化したい研究者
- 製薬・メドテックでエビデンス調査を行う担当者
- 試験で学術RAGと情報リテラシーの具体例を押さえたい受験生
あえて向いていないのは、社内マニュアルの検索や一般ニュースのキャッチアップ(Perplexity・ChatGPT向け)です。
よくある質問
無料で使えますか?
はい。Basicプランで論文検索・要約が可能です。自動レポートは月2本までです。
Perplexityとの違いは?
Elicitは学術論文特化、Perplexityは一般Web調査が強みです。
ChatGPTの代替になりますか?
文献調査には向きますが、汎用チャットはChatGPT等と使い分けが必要です。
システマティックレビューとは?
論文を体系的に検索・選別・抽出して総合する研究手法です。Proで本格利用できます。
出典は表示されますか?
文レベル引用で論文の該当箇所を示します。重要結論は原文確認を推奨します。