Cline Bot Inc. · コーディング

Clineとは?オープンソースVS Codeエージェントの機能・料金・使い方を解説

Apache 2.0 · BYOK · Plan/Act — 既存IDEに載せる透明性重視のコーディングエージェント

拡張本体 $0 任意モデル(Ollama可) ステップ承認
対応環境
  • VS Code / Open VSX
  • JetBrains プラグイン
  • CLI(npm i -g cline)· SDK
Clineの公式イメージ。オープンソースのコーディングエージェント
出典:Cline公式
更新日: 読了目安:約9分

Cline(旧称 Claude Dev)は、Cline Bot Inc.が提供するApache 2.0オープンソースのコーディングエージェントです。VS Code拡張として始まり、2026年時点ではCLI・SDK・JetBrainsまで同一ランタイムで展開されています。CursorやClaude Codeがサブスク一体型なのに対し、Clineは拡張機能本体は無料・LLMはBYOK(Bring Your Own Key)——APIキーやローカルモデルを自分で選ぶ設計が核心です。本記事は機能一覧の暗記ではなく、「無料」の意味(拡張 vs API料金)Plan/Actと承認UI(試験連動)Cursor・Claude Code・Copilotとの棲み分けに絞って書いています。

試験で問われる見方

生成AIパスポートでは、Clineのようなファイル編集・シェル実行・ブラウザ操作を行うコーディングエージェントが、第3章「AIエージェント」の具体例になります。Clineは公式に各ファイル変更・各ターミナルコマンド・各ブラウザ操作を人間が承認するGUIを掲げており、TF-0271「影響の大きい操作には承認ステップ(○)」、TF-0240「外部ツールの実行権限設計(○)」と対応しやすい製品です。

試験でハマりやすいのは「オープンソース=無料で高性能LLMが使い放題」という誤解です。Cline本体は無料でも、クラウドAPIは従量課金、ローカルモデルはGPU・電気代がかかります。またMCPで外部ツールを足せますが、画像フィルター名ではありません(TF-0243:×)。

Clineとは

Clineは2024年頃から急成長したエージェント型VS Code拡張の代表格です。GitHub上のcline/clineリポジトリはApache 2.0ライセンスで、TypeScript主体のオープンソースとして開発されています(2026年6月時点)。公式キャッチは「The Open Coding Agent」——エディタ・ターミナル・SDKに埋め込める共通エージェントランタイムです。

名前の由来は「CLI aNd Editor」を連想させる語呂合わせで、ターミナルとエディタの両方で動く思想を表しています(公式README)。当初はClaude Sonnetのエージェント能力を活かすClaude Devとして知られ、のちにClineに改称。試験では「Claude Code(Anthropic製)≠ Cline(OSSエージェント)」を必ず分けてください。

エコシステムでは、ClineをフォークしたRoo Codeなど派生プロジェクトも存在します。試験の超過学習用ではなく、「OSSエージェントはフォーク・拡張されやすい」という動向の例として押さえる程度で十分です。

BYOKとローカルモデル

Clineの経済モデルはBring Your Own Key(BYOK)です。拡張・CLIに月額のCline利用料は不要(OSSコア)で、Anthropic・OpenAI・Google・OpenRouter・AWS Bedrock・Azure等のAPIキーを自分で設定し、トークン従量課金を各プロバイダーに直接支払います(公式)。ClineはAPIにマージンを載せない——と公式・コミュニティで説明されています。

モデル供給 向くケース コストのイメージ
クラウドAPI(Claude/GPT/Gemini等) 最高性能・長コンテキスト 利用量に比例(軽い利用はCursor Proより安いことも)
OpenRouter等のプロキシ モデルを都度切替 プロバイダー料金+OpenRouter手数料
Ollama / LM Studio 機密コードを外に出さない GPU・電気代(API $0)

ヘビーユースではAPI代が月$100超になる例もあり、Cursor Pro($20/月)より高くつくこともあります。逆に週数回のエージェントタスクなら数ドル/月で収まることも——「無料 OSS=安い」とは限りません。

できること(主な機能)

Plan mode / Act mode

Planで方針を合意してからActで実行。各ステップ承認がデフォルト(公式)。auto-approveは自己責任。

Multi-file edit & checkpoints

リポジトリ横断の coordinated changes。Lint/型エラーをエージェントが自己修正。チェックポイントで一括Undo(公式)。

Terminal & browser

VS Code統合ターミナルでnpm test等を実行。ブラウザ起動・クリック・スクショでUIデバッグ(公式)。

MCP marketplace

Postgres・GitHub・Figma等をMCPサーバーで接続。カスタムツール拡張(TF-0243の具体例)。

.clinerules & Skills

リポジトリにコーディング規約を置く。Skillsで/review-pr等の定型フロー(Claude CodeのCLAUDE.mdに相当)。

CLI · SDK · CI

npm i -g clineでパイプ・cron・GitHub Actions連携。Agent SDKで独自製品に埋め込み(公式)。

Diffプレビューと監査性

Clineの差別化は「速さ」より透明性です。変更はdiffとして提示され、承認前に編集・却下できます。規制業種や監査ログが必要なチーム向けに、EnterpriseでSSO・監査機能が提供されます(公式・2026年6月時点)。承認ステップが多い分、Copilotのインライン補完より操作感は重い——というトレードオフがあります。

よくある誤解

一覧の「完全無料」は拡張機能本体の意味に近く、LLM利用までは無料ではないのが正確です。クラウドAPIを使えば従量課金、ローカルならインフラコスト——試験では「無料 OSS」と「推論コスト」を分けて答えてください。

Cline=Claude Code」も頻出です。Claude CodeはAnthropicの有料agentic system、Clineは任意モデルを載せるOSSランタイムです。Claude APIをClineから使うことはできますが、製品は別です。

Cline=Cursor」も混同されます。CursorはエディタごとAI化した別アプリ、Clineは今のVS Codeにサイドパネルで足す拡張です。両方入れる開発者もいますが、試験では提供元・課金モデル・製品形態がすべて異なります。

料金の考え方(2026年6月時点)

Clineの料金は2層で理解します。(1)OSSコア——拡張・CLI・Plan/Actループ・MCPは無料。(2)推論コスト——BYOKのAPI従量、またはローカルGPU。(3)Team / Enterprise——組織向けの請求一本化・SSO等(任意)。

Open Source(個人)

$0

拡張・CLI本体。API/Ollamaは別途

API利用(目安)

従量

軽利用 数$/月〜 ヘビー $100+/月も

Team / Enterprise

要確認

集中請求・監査・SSO(公式Pricing)

比較対象 課金の軸 Clineとの関係
Cursor Pro 月額 $20前後 定額で楽・API代込み。Clineは使うほどAPI代増
GitHub Copilot Pro 月額 $10前後 補完中心。Clineは多段エージェント向き
Claude Code Claude Pro/Max $20〜 Anthropic一体。Clineはモデル非ロックイン

Teamプランのドル表示は時期により変わります。契約前に公式サイトで確認してください。

はじめ方・基本的な使い方

  1. VS Codeに拡張をインストール MarketplaceまたはOpen VSXから「Cline」を導入。JetBrains派は公式プラグインを使用。
  2. APIプロバイダーを設定 Anthropic/OpenAI/OpenRouter/Ollama等を選択し、APIキーまたはローカルURLを入力。
  3. .clinerules を置く(推奨) テストコマンド・禁止操作・コーディング規約をリポジトリに記述。
  4. Plan modeでタスクを説明 「authモジュールにテストを追加」のように目的を述べ、計画を確認してからActへ。
  5. 各diff・コマンドを承認 不明なシェルコマンドは却下。本番DB操作は特に慎重に。
  6. チェックポイントでロールバック 意図と違う変更はUndo。PR前に人が最終レビュー。
ClineのVS Code・CLI連携イメージ
出典:Cline公式

ビジネスでの活用例

機密リポジトリ(ローカルLLM)

  • Ollama + Clineで社内コードを外に出さない
  • オフライン環境でのリファクタ支援
  • 規制上クラウドAPI不可な案件

日常開発(BYOK)

  • Copilotで補完、Clineで大きなリファクタ
  • テスト追加・Lint一括修正
  • MCPで社内Wiki・Jira参照

自動化(CLI / CI)

  • cline CLIで変更ファイルのセキュリティレビュー
  • 定期依存監査のスクリプト化
  • Slack/Liner連携タスク(公式)

いずれもauto-approveはサンドボックスやCI専用ブランチに限定し、本番権限のターミナルではPlan/Act+手動承認を維持してください。

メリット・デメリット

メリット デメリット
Apache 2.0で監査・フォーク可能 承認ステップが多く、小さな修正は重い
任意モデル・Ollamaでベンダーロックイン回避 API代が読みにくく、ヘビー利用は高額化
diff・checkpointで変更が追跡しやすい Claude Code/Cursorより統合体験は分断されがち
試験の「承認つきエージェント」の代表例 「完全無料」と誤解されやすい(API別)

Cursor・Claude Code・Copilotとの比較

項目 Cline Cursor Claude Code GitHub Copilot
形態 VS Code/JetBrains拡張・CLI AIネイティブエディタ CLI+拡張(Anthropic) エディタ内拡張
ライセンス Apache 2.0 OSS プロプライエタリ プロプライエタリ プロプライエタリ
課金 拡張 $0 + BYOK 月額サブスク Claude Pro/Max 月額サブスク
モデル 任意(Ollama可) 複数(Cursor管理) Claude中心 GitHub/OpenAI系
試験での覚え方 OSS・BYOKエージェント AIエディタ CLI agentic system 補完型支援

定額でシンプルに使いたいならCursor、Anthropicエコシステム一体ならClaude Code、行補完だけならGitHub CopilotOSS・モデル選択・承認UIならCline——という4分岐が試験・実務で使いやすいです。

こんな人におすすめ

  • VS Codeを変えずにエージェントだけ足したい開発者
  • Ollamaで機密コードをローカル処理したいチーム
  • 生成AIパスポートで「承認つきエージェント」「MCP」を具体例で学びたい受験生
  • APIコストを使った分だけに抑えたいライトユーザー

向いていないのは、月額定額で考えたくないヘビーユース(Cursorの方が安いことが多い)、承認ダイアログなしで全自動を求める場合、エディタ一体の磨き込みUIだけ欲しい場合です。

よくある質問

Clineは本当に無料ですか?

Cline拡張機能・CLI・SDK本体はApache 2.0で無料です。ただしLLMを動かすAPIキー(Anthropic・OpenAI等)やローカルGPUの電気代は別途かかります。「拡張は無料、推論コストは自分持ち(BYOK)」と理解してください。

ClineとClaude Codeの違いは?

Claude CodeはAnthropicの有料サブスク型agentic coding systemです。Clineはオープンソースのエージェントランタイムで、VS Code/JetBrains/CLIから動き、Claude以外のモデルも選択できます。名前にClaudeが入りやすいですが別製品です。

ClineとCursorの違いは?

CursorはAnysphere製のAIネイティブエディタ(VS Codeフォーク)で月額サブスクです。Clineは既存のVS Codeに入れる拡張機能で、APIキーを自分で持ち込むBYOKモデルです。エディタごと替えるか、拡張1本足すか——が整理の軸です。

Plan modeとAct modeとは?

Plan modeでは方針・手順を先にすり合わせ、Act modeでファイル編集・ターミナル実行に移ります。各ステップはデフォルトで人間の承認が必要です。試験の「制約・承認設計」と対応するUIです。

ローカルLLMだけで使えますか?

はい。OllamaやLM Studio経由でローカルモデルを指定できます。機密コードを外部APIに送らない構成が可能ですが、モデル性能・速度は自前環境に依存します。